『関連・報道記事紹介』


(2009.10.15)
シュロに関してご質問をいくつかいただきましたので、少し聞いていただこうかな、と思いました。
シュロは、私の子ども達が生まれるたびに、田舎の祖父母が誕生記念に植えてくれたものです。写真のずっと後ろにもう一本写っているのが、長男のシュロです。写真左側(写っていませんが)には三男のシュロがやはり大きく育っています。
どれも最初は手のひらに乗るほどの、それは可愛い苗でした。あれから30年以上が経ち、3本とも、見上げるほどの大きな樹木に成長しました。
すぐ側が池になっていて水分が充分なことも成長を助けているのかもしれません。とにかく毎年たくましくなっていきました。
植えた当初は、シュロに雄株・雌株があることなど全く知りませんでした。

成長してみると、勇士のシュロだけが雌株でした。他の兄弟のシュロは雄株です。初夏の頃になると2本の雄株からは大量の花粉が飛びます。風のある時にそれは、まるで黄色い煙のようになって一斉に飛びます。庭の景色が黄色のファインダーを通したように見えることもあります。
それを勇士のシュロがしっかり受け止めて、多くの実をならせます。実は鳥が食べて運んだり、シュロ自身のすぐ下に落ちたりして、まもなく可愛い芽が一斉に出てきます。

二男の勇士はこんな形で子孫を残しているかと思うと、実がなり芽が出る頃は毎年いとおしく思います。シュロは全身が焦げ茶色の麻ひも状の毛で覆われています。今回掲載のPDFファイルではその様子がよく分かります。抱きしめてみるとそれらの毛はちょっと柔らかくて暖かです。そして木はがっしりと骨太なのです。その感触・・、なんとも言えない気持になります。
シュロ・ゆうちゃんは今年33歳になりました。

いつも身につけている時計も、お気に入りだった洋服も、なにもかも一生記憶から消えることのない思い出です。

上段のり子