今後の裁判日程





【 平成19年1月18日(木)午後2時 第8回口頭弁論 証人尋問 ニコン社員 】
   当日、原告から甲174号証、175号証、176号証の書証を提出しました。過労自殺が初めて最高裁判所で認定された電通社員の、当時の判決報道記事が掲載された書証。
甲174(H8.3.29 朝日)東京地裁判決
甲175(H9.9.26 日経)東京高裁判決
甲176(H12.3.25 読売)最高裁判決
ニコンからは乙125号証が提出されました。勇士がネクスターに提出した履歴書のコピー。当時面接した人物(本日の証人)の、面接時の書き込みメモがある。ただし、これは原本はないという。
当時も今も、事前面接は禁じられており、ニコン総務の面接行為自体、違法であるのに、今回あえて書証としている。
【証人尋問】〜概要〜
  ◎主尋問 被告側代理人:福吉貞人弁護士
証人からは、最初にH9.10月20日にニコンにて事前面接した時の様子が話されました。
証人○上段君は経済的理由で都立大を中退、夜勤の経験がありビル管理のバイトをしたと言った。
上段君には、“交替勤務導入にあたり”というガイドを渡してあるし、黒板に書きながら丁寧に説明した。検診についても必ず受診するというところを読んだ、交替勤務者は年2回、請負も対象であった。法定特殊検診、上段君も実施していた。
メンタルヘルスについても、外部労働者も相談できる、休めることも説明したし、仮眠室についても説明した。
〜〜無断欠勤、遺族について〜〜
現場の上段君は体調は悪そうではなかった。
上段君の無断欠勤は3月3日に職場から聞いた。2月25日から来ていないというのでネクスターに様子を見るよう頼んだ。ネクスターは電話をしてもいなかったので、そのままにし3月10日に直接たずねて行って死亡を知った。
ネクスターからの話では、遺族はニコン、ネクスターの責任はないと言っていた。
兄弟にあったときは就労形態等を聞きたいと言われたし、母との電話での話しでは、上段君の死は、事件性があるという考えを聞いた。

◎ 反対尋問 原告側代理人:川人博弁護士
Q:
(乙1の1〜2)契約書にネクスターの横判のみでニコンの押印がないが。
証人:
契約書なしの状態で業務を開始しました。
Q:
現場責任者の実態なし、ニコンがネクスターに注文書を作って渡したことはない。
証人:
はい、実態はありません。(それぞれの問いに)
Q:
ニコンは改善指導を受けましたか。
証人:
埼玉のハローワークです。内容ははっきり記憶していません。
Q:
(甲170−1)朝日の記事では、偽装請負にニコンもあるが今は?派遣の形?
証人:
今でも請負。コンプライアンスを守っています。
Q:
安全衛生について。(Z4−1,2)マネージャーがいてその下にチーフ。総務が知っていることになる、1月30日、翌00:26とある、あなたも知っているのでは。
証人:
私は知らない。立場にない。
Q:
(Z61)0:00以降は・・・総務Gに提出とある、あなたも知っているのでは。
証人:
エラーとなるので時刻を打刻する。
Q:
総務は提出あるのは見てないのですね。それは違法では。
証人:
勉強できていません。
Q:
勇士君の時間外規定は。
証人:
当時は規定の認識はありません。
Q:
Aさん(勇士の同僚)代表の労使協定、1日の上限3時間となってるが、これにも違反している。
証人:
人事総務責任者としてはマネージャー、チーフに連絡はしていない、2人とも聞こうともしてない。
Q:
休日出勤は5時半以降は駄目となっているがあなたは知らなかった?
証人:
はい。
Q:
マネージャー、チーフには前日の労働時間分かるか?
証人:
私は認識していない。
Q:
(Z13)この内容。勇士君に言ったということだが。夜勤勤務でない日は休みとなってるが夜0:00以降も働いている、昼は所定8時間、しかし9時間45分になってる。交替勤務の構造の中で働かせてしまった、15日間ずっとそうだった。
証人:
はい。読み上げましたが、実態は違うことをしました。
Q:
彼が亡くなった後、人事労務の確認は?
証人:
しませんでした。
Q:
裁判の途中で、ニコン社員の設計者が投身自殺したが、委員会は?
証人:
調査しませんでした。
Q:
K.T君(勇士と同じネクスターの請負としてニコンに配属、勇士死亡1年後に心筋梗塞で死亡)の死亡の時は?
証人:
調査しませんでした。
Q:
勇士君の上司について。
第一成検と第二成検で働いたが。両方の成検の責任者であるマネージャーと、第一成検のチーフ、この2人は証人になったり陳述書を書いたりしている。しかし、勇士君は第二成検のソフトのときに亡くなった、この第二成検のチーフが、この裁判に一度も登場しない、彼はどうなっているのか?
証人:
記憶ははっきりしないが、他の所にいる。
Q:
自殺したのでは?
証人:
記憶に無い。他のところに在籍している。
(証人はこの時、まったく落ち着きをなくし、傍聴席を振り返って視線を泳がせるようにした)

◎ 再主尋問 ニコン側代理人 福吉貞人弁護士
Q:
委員会が調査してないというのは、してるか、していないかも分からないということですね。
証人:
はい。
Q:
第二成検のチーフは今でも働いているんですね。
証人:
亡くなったという記憶はありません。

〜以上〜