『偽装請負 労災死民事裁判』



裁判終結にあたって
飯窪愼三

 平成17年11月9日に訴状を提出し、平成20年2月13日に東京地方裁判所から判決の言い渡しがありました。この間2年4ケ月、私たちの裁判を支援していただいた方々、弁護士の先生方にお礼を申し上げます。

1 判決は、一部、私たち原告の主張が認められていない内容もありましたが、原告の主張の主なものが次のとおり認められました。

(1) 修平は、大和製罐東京工場で検蓋業務に従事中、作業台から転落し、工場床面に頭部を強打し、脳挫傷、頭蓋骨骨折等の傷害を負い、その事故により死亡した。

(2) 派遣元の被告テクノは、使用者として修平に対して安全配慮義務違反をした。

(3) 派遣先の被告大和製罐と、修平とは、実質的使用従属関係が認められるので、被告大和製罐は安全配慮義務を負っており、転落防止が施されていない作業台を、修平に使用させたという安全配慮義務違反をした。

2 控訴しないことについて

被告テクノと被告大和製罐が控訴しないことになったため、また、原告の主な主張が認められたので、私たちは控訴しないことに致しました。

3 判決を受けて原告として思うこと

(1) 被告の(株)テクノアシスト相模と被告大和製罐株式会社は同じような労災事故は2度と起こさないようにして欲しい。

(2) 非正規雇用で働く人、とりわけ派遣や偽装請負で働く人に対しては、労災防止など安全管理の責任があいまいになり、労災事故が多く発生しています。
使用者や経営者はこの判決を重く受け止めて、これからは、非正規雇用で働いている派遣や、偽装請負で働く人に対する安全管理を厳格に行って欲しい。
さらに、職場での安全管理を徹底して行い、派遣元、派遣先とか、正社員、非正規社員とかに関係なく、安心して働くことができるようにして欲しい。