『最終意見陳述書』


〜〜原告・最終意見陳述書(控訴審)を読んで下さる方へ〜〜

H20.9/22 上段のり子


 

東京地裁の最終弁論の日(H16.11/12)から3年10ヶ月。二度目の最終弁論の日(H20.9/16)を迎えました。
東京高等裁判所に控訴理由書を提出した日から数えると、3年5ヶ月になります。最初の裁判所では勇士の勤務体制やその職場での様子、実際の勤務場所の見学、出張先の様子などが詳細に検証されました。

控訴審に入ると様子が一変しました。勇士のような仕事の仕方をしている外部労働者と、仕事先である会社、送り出す会社、の立場での法的な論争になりました。
毎回の準備書面は、法学者の論説や過去の裁判の判例などがたくさん出てくるようになりました。自分の子供が亡くなったことについて論じられているのですから、きちんと頭に入れて進みたいと思っていました。
被告2社と原告の分と、3つを読むと、書面を理解するのに時間がかかり内容的にも重いので、書面に向かっていると最後には、身体までずっしり重くなるように感じられました。

書面の言葉は難解なものも出てきました。なんとか読み繋いで、言われていることで実際の現場なら、それでは勇士は何が出来たかとその都度考えてみました。勇士が言っていた言葉と状況を思いながら考えることが続きました。そして3年5カ月を過ぎて思ったこと、それを今回の最終意見陳述書の初め(「控訴審の中で」)に述べました。

「控訴の理由」、ここには東京高等裁判所に控訴した私の思い・主張をまとめました。
最後の箇所は、東京地裁、東京高裁と進んできて、今の私が思っていることの総まとめとなります。

例によって、陳述書作成段階では原稿は案の定長くなり、所定の時間内におさまるように削る作業に入りました。なんども削って修正しているうちに地裁の時とまったく同じ現象が起こりました。出来上がりの最終意見陳述書は、一言一句鮮明に頭に入っていました。
原稿は念の為に机上においただけで済みました。今回、勇士が側に来ているかどうか、ではなくて。「明日は一緒に頑張ろうね」と話しかけて臨みました。