『陳述書』

７	配置転換（平成10年９月）
	９月10日（木）、勇士から電話があり、�来週から２ヶ月間部署がえになる�との連絡がありました。�昼勤のみのシフトのようだ。夜勤と違うから、ちゃんと食事作って食べられるといいな。体調戻さないと。ずっと疲れ取れてないからね�と話していました。部署替えはかなり気にしていました。それでもとりあえず期日が決まったことで安心したようでした。　９月11日（金）、勇士は、東京に日帰りで来ました。この日は、私とＹＡ（弟・三男）の３人で過ごしました。気持ちもゆったりと見えました。言動は緩やかでしたが、ひどく痩せていました。　９月13日（日）、勇士から電話があり、�明日から日勤はじまるよ。頑張る�張り切っているようでした。この間までのイライラした感じもありませんでした。　９月20日（日）、勇士から、�自転車を新しくした。通勤頑張る�と電話が入りました。自転車にシートをかけた方がいいだろうか、という話し等をしました。張り切っている感じを受けました。　９月22日（火）、勇士から電話があり、�昼勤務はやっぱり二交替に比べるといいね。食事も規則正しく取れるようになったし、胃腸もちょっと落ち着いたかな。前ほどイライラしなくなった。朝出勤していくのは気持ちいいよ。でも、やっぱり疲れ抜けないんだよね。９時間45分の仕事も結構きつく感じるんだ。１時間残業しただけですごく疲れた。まだ仕事慣れてないせいもあるのかな。キーボードの入力があってね。俺は一本指だから余計疲れる。情報処理理論は分かるけど、オペレーターじゃないから。かあさんみたいに早く打てないから、ブラインドタッチも出来ないし。クビにならないように頑張らないとね。昼勤ってさ、夜勤手当つかないから給料下がるんだよね。それが嫌だよ�という話をしていました。　勇士は、８月までは自分で食事も作っていたようです。９月も最初は張り切っていましたが蓄積疲労は徐々に全体に影響が出てきましたようです。疲れが抜けきれない事が当たり前のようになっていること、頑張りの割には手取りが減ること、クビに対する緊張感など、新しい部署での日々は疲れたようでした。そのため、９月・10月は、疲れて料理はほとんど出来なくなっていました。
８	東京の実家（平成10年10月）
	私は、平成９年11月から、両親がいて、現在も住んでいる岩手の実家に引っ越して住んでいましたが、平成10年10月に、当時、子供たちがすべて東京近辺にいたために、東京に宿泊場所があると便利だと考えて、東京都荒川区東尾久という所にアパートを賃借しました。これが、東京の実家ということになります。勇士が岩手までなかなか来れなくなったので、ここで迎えてあげようという思いもありました。　10月18日（日）、勇士から電話があり、�今日、家具を見に行ってくる。かあさんの洗濯機、旧型でしょ。ついでにいいもの探してあげるよ�と、いつもの明るい声でした。近くのディスカウントショップに行って、探してくれると言っていました。　私の東京のアパートへの引っ越しに向けて、新型の安い洗濯機を見つけてあげると張り切っていました。　10月24日（土）勇士は、東京へ一泊しました。この日は東京尾久の部屋に、引っ越しをしたため、勇士はその手伝いにやってきました。荷物は徐々に増やすつもりでしたから、大げさな荷物は特にありませんでした。結構、早めに片づきました。　３ヶ月ぶりに会う勇士は激痩せぶりが定着してしまったように見えました。　勇士は、　�昼勤になってからは前よりは落ち着いたんだけどね。時間も規則正しく成ってきたから、また食事・献立作り・トレーニングと工夫してみてるんだけど。なかなか疲労感が取れないんだよね。１時間残業しただけなのに、すごく疲れてね。昼勤の９時間45分も結構辛く感じるんだ。体力落ちてるのかなあやっぱり。評価落ちるとクビだしなあ。職場はリストラの空気まだあるし。休まないで頑張らないとなあ� と話し、また、　�頑張っても残業がなくならない� と相当イライラもしていました。疲労はたまる一方なのですが、それでもなんとか、体力をつけて乗り切ろうと必死に努力をしていました。　愚痴ることなくおっとりした子が、引っ越しの新しい部屋でずっとこんな調子でした。　新しい東京の実家で、ちょっとした母の手料理を食べさせました。引っ越しの部屋でなかなか満足な調理も出来ませんでしたが、勇士は時間をかけてゆっくり１膳を食べました。　この晩は、暖房器具など完全ではなかったので、勇士をホテルに泊めました。