『陳述書』



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(2)平成10年12月
 12月2日(水)、勇士から電話があり、�これから台湾出張だよ。今回は自分一人だけなんだよね。しかも飛行機の席はスーパーエコノミーなんだよ。リッチだよね�
と、少し緊張も混じっているような感じに聞こえました。

 勇士は、12月2日(水)から12月5日(土)まで、二度目の台湾に行きました。

 12月5日(土)、勇士は、台湾からの帰り成田から直行で東京に来て一泊しました。この時、勇士は、�今回一人だったのでとにかく疲れた。目が充血している。神経が一段と高ぶっている�と言っていました。
 台湾での上司の夜の接待の話は、憎しみやら恨みっぽい気持ちやらを表して話した後はぐったりした様子でした。そして、「つくづく嫌になるよ」と言っていました。
 家では、天井をみた姿でごろりと横になっていました。その姿になると頬・こめかみの肉も落ち込みが一段とはっきりしていました。まっかに充血した目でじっと上を見たままになっていたので、とても印象に残っています。
 少し落ち着いてから、弟のYAの所に母とおみやげを持って行きました。そこで弟とおみやげの話しやら、上司の接待の話をしました。弟の冗談で固い気分がとれたように見えました。

 12月15日(火)に勇士から電話がありました。ネクスターから�部屋を引っ越して欲しい�と言われたとのことでした。
 勇士は、�Hさん(相部屋の人)が辞めたから今月中に引っ越してくれだって。大体4.2~4.7万位の部屋になるらしいよ。探してから実際に見て決めてもらうと言ってた。希望する所に選んで入れるようだ��ここ気に入ってるからなぁ。いつ引っ越しするのか分からないんだよね。今までの感じだと突然言われそうだから、休みの日は予定入れないようにしとかないとなぁ�かなりきつい調子で言っていました。

 勇士は、この日から落ち着かない日々を送っている感じで、ネクスターから引越しの指示があったにもかかわらず、具体的に、何時、どこに引っ越すのか、何もはっきりしないために、イライラをつのらせている感じでした。勇士は、いつ引っ越しを言われてもいいように休みの日は全て予定を開けて待っていました。
 YA(弟)が不動産業の経験(短期アルバイト)があったので、相談の電話を入れていたようです。YAはそれに対して�熊谷の相場としては高いのではないか�と意見を言っています。さらに期日は年末であり、見つからないのではないかと心配していました。ネットで探す方が確率が良いのではないかという話しもしたそうです。家族はその時の勇士の状況を考え、かわいそうに思って気にかけていました。

 12月20日(日)勇士は、�テレビやビデオがあるとなお集中出来ない。気がつくとテレビをぼうっと見てしまっている。何かおかしい。テレビがいつの間にかつけてある�と言って、�テレビやビデオデッキをおかあさんにあげる�と電話で、言ってきました。その電話の後さっそく、東京の実家にテレビとビデオデッキを送ってきました。
 その年の2月12日(木)に買ったと電話で報告のあったテレビとビデオデッキなので、10ヶ月しか経っていない品々で、保存も良く新品同様のものでした。丁寧にそれぞれのカタログも入れてありました。

 12月21日(月)、勇士から電話があり、�給料から火災保険とか公益費というのが引かれている。何のことかな。今度も何の説明もないよ。引っ越しも相変わらず何も言ってこないし。もう後10日しかないよね。どうすんだろ? あてになんないよ�と、いろいろネクスターには不満でした。なにより説明がないこと、対処が遅いことが不満の原因だったようです。

 12月24日(木)、勇士から電話があり、�まだ引っ越しの連絡来ないよ。もうクリスマスだよ。これじゃあ、疲れるだけだよね。体も壊してるし、引っ越す前にいっそ辞めようかなぁ�と訴えていました。
 この月の最後の方は、怒るというより疲れたような感じになりました。少しずつ、新居が決まらなければ、辞めてもいいという方向になっていました。



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