第168回国会 厚生労働委員会 第9号
平成十九年十二月四日(火曜日)
午前九時三十分開会
・・・【中略】・・・
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
(混合診療解禁論議の問題点に関する件)
(厚生労働省職員の勤務実態とワークライフバ
ランスの実現に関する件)
(アスベストによる労災認定事業所名の公表に
関する件)
(労働者派遣法の見直しの必要性に関する件)
(生活保護における扶助基準の見直しの在り方
に関する件)
○特定肝炎対策緊急措置法案(家西悟君外六名発
議)
・・・【中略】・・・
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の櫻井充です。
・・・【以降、途中まで略】・・・
規制改革会議とはまずまともな組織なのかどうかということについて質問をしていきたいと思いますが、規制改革会議は内閣府設置法の三十七条に規定されて設置されておりますが、そこの要件、何を行うところなのかというと、基本的に言うと、経済の問題を取り扱うんだということでございます。しかし、最近の規制改革会議を見ていると、例えばこの間は教育委員会について言及されるとか、経済の範囲を逸脱して様々な意見を述べられておりますが、私はこういう姿勢そのもの自体に問題があるんではないかと思いますが、内閣府としていかがお考えでございましょう。
○副大臣(中川義雄君) 委員も御承知のように、規制改革会議そのものは政策を決定する機関ではありません。これをはっきりさせておいていただきたいと思います。ただ、広く意見を聴いて、内閣府としてはある程度の調整をしながら、そして国民に対して一定の責任を果たしたいと、それだけでございますので、そう認識していただきたいと思います。
○櫻井充君 おっしゃるとおりなんですよ。権限のないところなんです、本来は。しかし、さも権限があるように振る舞っているところにまず大きな問題点があると私は思っています。
もう一度ちょっとここは確認しておきたいんですが、経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進すると。これはもう設置法の中に決められていることであって、所掌事務をまず逸脱することは私はやるべきことではないと思っております。その点についてはいかがですか。
○副大臣(中川義雄君) 今、国会での議論の中で櫻井委員の意見ですから、これはそのとおり伝えたいと思っております。
○櫻井充君 これは、伝えるということよりも、コントロールされるのはそれこそ大臣、副大臣の皆さんがその役所をコントロールしていくことになりますから、規制改革会議に申し伝えるのではなくて、これは政治家の責任としてきちんとコントロールしていただきたいと思います。
○副大臣(中川義雄君) 大臣ともよく相談していきたいと思っています。
○櫻井充君 よろしくお願いします。
その上で、私は、今の社会の在り方を見ていると余りに不公平だと思っています。その規制緩和とは、言葉の聞こえはいいですが、実際やっていることは、例えばその会議に参加している人たちの利益を出すために制度を変えている、そういう組織じゃないかと思っています。その論拠になるものをお示ししますが、今皆さんに資料をお配りさせていただきました。
第一回の、これはこの間の予算委員会でも使った資料ですが、規制改革の要望です。これを見ていただくと分かりますが、一位が経団連、二位がリース事業協会。このリース事業協会というのは、このときの規制改革会議の議長がここの団体の委員長を務められておる、トップの方がこの規制改革会議の議長というんですか、議長がこの団体のトップです。それから、この三番目の、伏してありますが、この会社が議長の会社です。世の中で、自分の関係している、この方は経団連のメンバーでもおありでしょうから、要するに、こういうようなところの人が議長を務めてまともな制度改正ができるんでしょうか。つまり、自分たちにとって有利に変えるに決まっていますよ、こんなものは。こういう人が議長を務めているから世の中私はおかしくなっていると思っています。この点についていかがですか。
○副大臣(中川義雄君) これまでの議長についていろんな意見があったことは承知しております。今、櫻井委員の多分想定している議長は、今の議長ではないと思いますので、その点だけは御了解いただきたいと思います。
それで、私は、あくまでも規制改革について優れた識見を有して幅広い議論をしている、それだけの規制会議の役割だと、そう思っていますので、それ以上のことはここでは答えることができません。
○櫻井充君 まあ本音かどうか、そこがちょっと難しいところだと、苦しいことはよく分かっておりますが。・・・【以降、途中まで略】・・・
○櫻井充君 そういう人をまずメンバーから外していただきたいと思っていますよ。
それから、これはちょっと資料を要求しておきますが、ここの会社の人が派遣会社をつくったんですよ、この議長が、規制緩和しておいて。これは、そのグループから100%出資した人材派遣会社をつくりました。人材派遣会社の事業内容のところに何て書いてあるかというと、そのグループを始めとした企業へ派遣していますと、そう書いているんです。これは専ら派遣と言うんだそうですが、これは禁止されている事項です。禁止されている事項を堂々とホームページでこうやって会社の案内でうたっている会社ですからね。めちゃくちゃなことをやっている人ですよ。これが本当に専ら派遣に当たるのかどうか、きちんと調査していただいて、この委員会に御報告いただきたいと思います。
○委員長(岩本司君) 理事会で協議させていただきます。
○櫻井充君 それから、その当時の委員の方に女性の方がいらっしゃいました。この方は、今郵政の株式会社の社外取締役に就かれておりますが、この人は郵政公社と取引をやっている方なんです。これは同僚議員がこの間の委員会で指摘して、結局やめることになりましたよ。ですが、その人もこの規制改革会議のメンバーでしたね。私は、まともな人がいるのかなと思うときもあるんですよ。
もうちょっと言うと、じゃ、今の議長はどうなのかということです。今の議長は、この間、これは平成7年なんでしょうか、とにかく申告漏れがあって、その申告漏れの額が約40数億円だったと、追徴課税は約15億円に上ると見られると。
まず、ここは財務省にお伺いしておきますが、これは立派な犯罪ではないんですか。
○政府参考人(杉江潤君) お答え申し上げます。
一般に言う脱税には刑事事件に至るものと至らないものがございますが、いずれにしましても税法上の違法行為となります。
○櫻井充君 違法行為の責務はだれが負うことになるんでしょうか。これは企業全体で、私は企業のトップも当然のことながらその責務を負うと思いますが、その認識でよろしゅうございましょうか。
○政府参考人(杉江潤君) 法人税法の違反行為につきましては、納税義務者である法人に対して重加算税等の行政罰が課されるほか、刑事事件となる場合には、法人の代表者、代理人、使用人等で、その違反行為をした者及び法人に対してそれぞれ刑事罰が科されることになります。
○櫻井充君 一般的に申し上げれば、例えば行政の長の場合も、部下が何か不祥事を起こした場合には大臣が責任を取らなきゃいけないような場合も出てくるわけであって、それは企業のトップたる者の私は責任は大きいと思いますよ。
もうちょっと申し上げれば、我々政治家とて同じじゃないでしょうか。つまり、秘書が何かを起こした場合にその連座制という制度があるということは、私たちは事務所を構えていてそのトップですから、そのトップが知ろうが知るまいが、責任は負うことになります。そういう点で、私は企業のそのトップという人は責任が重いと思っております。
そこで、お伺いしたいのは、規制改革会議のメンバーというのは一体どういう人がふさわしいのか。こういう社会的ルールを守らないような人が議長を務められていて、本当にまともな組織と言えるんでしょうか。
○副大臣(中川義雄君) 委員も御承知のように、規制改革会議には一つの一定の考え方がありまして、広い識見を持った人、幅広く聴くというような人にその仕事に就いていただいておりまして、それにふさわしい人であると信じておりますが、今のような御指摘があったことは、十分私もよく知った上で対処したいと思っております。
○櫻井充君 社会のルールを守るというのは、私はそこの前提の中に入るのが当然だと思いますけどね。まず、そんな社会的に、何というか、識見があるとかないの前に、まず社会のルールを守っている人を選ぶのが当然じゃないですか、違いますか。
○副大臣(中川義雄君) 今の櫻井委員の指摘は重要な指摘だと思いますが、これが本当にルールに違反したものであるのかどうかというのは、私はまだそこまで確認しておりませんので、ここで明確に答弁するわけにはいきません。
○櫻井充君 それでは、きちんと確認していただきたいと思います。そして、その上で本当にふさわしいかどうかの検討をしていただきたいと、そう思います。そうでないと、まともな議論にならないんですよ。自分たちの利益のことだけ考えてやっているようなところがあるから、この社会がゆがめられていきます。
もう少し申し上げると、個人の意見なのか、それとも規制改革会議全体の意見なのかが分からない場合があります。例えば、ある委員は十一月二十八日の新聞に混合診療のことを書かれております。肩書は政策研究大学院大学教授となっていますが、その脇に規制改革会議の委員だとちゃんと書いてありますし、それから別な新聞に書かれている方も、最後のところに、出身大学の後ろに規制改革会議の委員というふうに書かれております。そうすると、この方々の発言がさも規制改革会議の発言のようにも取れますし、個人の発言なのか、どうもよく分からないところがある。
こういったところも、これだけ大きなマスコミに出る場合には、少なくとも規制改革会議の全体の意見でない場合には、ちゃんと規制改革会議の委員だということをまず外させるべきじゃないかなと、私はそう思いますけど、いかがでしょう。
○副大臣(中川義雄君) 今の新聞は読ませていただきましたが、新聞の内容が、それが真実であるかどうかも含めてよく検討しなければならないと、こう思っております。
いずれにしても、私はその任命を外す外さないというような判断する立場にはありませんので、今ここでの、国会での議論を重要に考えて、大臣とも相談させていただきたいと思います。
と同時に、これはあくまでも、規制改革会議は政策決定機関ではありません。これだけはここの国会の皆さん方も、それだけは承知しておきたい。最終的には隣にいる大臣が判断することでして、ある程度の意見があったとしても、大臣さえしっかりしていれば間違いなく行われるということだけは間違いない事実だと思いますので、その点だけは御了解いただきたい。その点でしっかりさせてやっていきたいと思います、いくつもりでおります。
○櫻井充君 これは、二〇〇一年の十一月十九日にこの当時の議長が、これは私的な意見だといって十五の重点提言の事項を挙げられておりますね。これは、個人的にこうやって挙げてくるんですよ。その上で、今度は経済財政諮問会議のある委員が、これは最終ゴールですねといって、さも認めるような発言もされているんですよ。もうめちゃくちゃですよ。
先ほどから副大臣おっしゃるとおり、権限のない人たちが、その人たちがさも権限があるように振る舞い、そしてその人たちが付けた道筋がさも正しく、そのことに対して物を言うと抵抗勢力だと言われると。自民党の先生方、僕は気の毒だなと本当に思いますよ。だって、自分たちが世の中で聞いてきて、社会でこれが正しいと思って幾ら発言されたって、抵抗勢力になって物が言えなくなってきている。だから今地方がみんなどんどん駄目になってきていますよ。中央にいる人たちで、しかも社会を知らない人たちが自分たちの企業の利益を上げるようなためだけにやっているからどんどんどんどんゆがめられていくのであって、もう少しそこのところをはっきりさせてもらわないといけないわけですよ。その経済財政諮問会議で骨太の方針とかいって出てくるとみんなそれが正しくて、そしてそれに物を言ったらみんなたたかれるわけでしょう。副大臣もその一人だったかもしれませんが、本当に私はお気の毒でなりません。
ですから、そういうゆがんだ政治を早く変えていかなきゃいけないと私は思っているんですよ。その思いは一緒じゃないですか、違いますか。
○副大臣(中川義雄君) 今までの櫻井委員の御意見は、正に国会らしい、国会議員としての責任ある立場での発言だと承知しております。
○櫻井充君 それは、要するに同意していただいたと私は受け止めたいと思います。
・・・<以下省略>・・・
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