衆議院・参議院会議録情報 抜粋

参議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。

第168回国会 厚生労働委員会 第9号
平成十九年十二月四日(火曜日)

    午前九時三十分開会

  ・・・【中略】・・・  

  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
  (混合診療解禁論議の問題点に関する件)
  (厚生労働省職員の勤務実態とワークライフバ
  ランスの実現に関する件)
  (アスベストによる労災認定事業所名の公表に
  関する件)
  (労働者派遣法の見直しの必要性に関する件)
  (生活保護における扶助基準の見直しの在り方
  に関する件)
○特定肝炎対策緊急措置法案(家西悟君外六名発
  議)

・・・【中略】・・・

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
  偽装請負を告発して正規雇用を求める労働者に対して、違反した企業側が直接雇用申込み義務を拒否したり短期雇用を繰り返したりするという事態が続出しているんですが、日亜化学の偽装請負問題、今お配りしております朝日新聞で昨年十一月一面、大きな記事が出たわけです。千六百人の直接雇用と。請負労働者千六百人について三年勤務を超えた者から順次正社員としていくと。試験も行うけれども経験を最も重視するというそういう約束をして、それで合意をして、組合側もその合意を前提にして申告を取り下げたと。そういう経過がこれあるんですね。これは偽装請負のあるべき解決方向だということで大きな話題になりましたし、徳島県知事も、全国のリーディングケースになるというふうに当時言いました。
  ところが、今これ現地でどうなっているかといいますと、告発した労働者は、日亜化学の工場の敷地内で、派遣労働者として別の会社から派遣されて草むしりの仕事をやらされている。日亜化学が当初の合意を守らずに、組合員が働いていたその部署からは一切直接雇用していないというそういう事態になっているわけです。明らかにこれ、報復的、見せしめ的なやり方であります。労組の島本委員長は、偽装請負を告発するという正しいことをしてきたのになぜこんなひどい目に遭うのか、六歳の子供に正社員になれたと胸張って言いたいと、是非企業をきちんと指導してほしいというふうに訴えておられます。
  これ、大臣にお聞きしたいんですが、こうしたやり方がまかり通っていっているものをなくせるのかと、偽装請負をですね。しかも、やっぱり違法行為を告発した労働者が見せしめのように不当な扱いを受けるというようなこと、私は、これは労働問題というより日本の社会の問題にとって、本当に私はこんなやり方、絶対あってはならないと思うんですが、大臣、こういう事態についてどう思われますか。
○国務大臣(舛添要一君) 一般的に、労働者派遣法に違反すればそれはきちんと取り締まるということでありますし、今、小池委員がおっしゃった、これを告発する、申告したと、内部告発、申告したということを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないということを労働者派遣法においてきっちり決めているわけですから、法律違反があればそれは厳正に対処し、指導を行うということであります。
○小池晃君 しかし、法律の網かいくぐってこういうことが行われているわけであります。
  厚生労働省、お聞きしたいんですが、労働者派遣法第四十条の四では、派遣限度期間を超えた労働者に対して派遣先による直接雇用申込み義務があります。日亜化学だけじゃなくて、これ、キヤノン、いすゞ、松下プラズマディスプレイ、いろんなところで労働者が、派遣限度期間を超えた偽装請負の問題取り上げて、直接雇用を要求して労働局に是正を求めておりますが、派遣期間制限違反によって、厚労省の指導によって直接雇用になった、そういう労働者は何人いるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 現在把握している数字で申し上げますが、平成十八年度の是正指導件数、これ全体で六千二百八十一件となっております。このうち、平成十八年十二月、これ一月分でございますけれども、是正指導の対象となった事案の三月末の状況について確認したところ、偽装請負及び派遣可能期間の制限に抵触したことを理由として是正指導を行った事案が二百二十七件ございますけれども、そのうち五百九人の労働者が発注者又は派遣先に直接雇用されたところでございます。
○小池晃君 私が聞いたのは、この四十条の四で、この違反によって、厚労省指導して直接雇用になったというケースが何件あるのかと聞いているんです。
○政府参考人(太田俊明君) 今の御質問でございますけれども、これは、平成十八年度において雇用契約の申込み義務違反によって直接是正指導の対象になった事案はございませんので、雇用契約の申込義務違反に対する是正指導の結果、直接雇用になった者はないという状況でございます。
○小池晃君 ないわけですね。しかも、そのサンプル調査を見ますと請負八千四百四人のうち直接雇用は四百六十七人だとお聞きしていますが、期間の定めのない雇用はそのうち何人ですか。
○政府参考人(太田俊明君) 発注者又は派遣先に雇用期間の定めのない雇用となった者の数が十八人でございます。
○小池晃君 ですから、わずかこれ〇・二%なわけですよ。それから、派遣では四十二人ですが、期間の定めのない雇用になったのはゼロ人、一人もいません。これはサンプル調査の結果ですが。
  大臣、これ法律がほとんど私機能していないと思うんです、法律に基づく是正指導をやられていないと。やっぱり派遣法の抜本的な改正が必要だと思います。この間、与野党が集会も開いて、これは日雇派遣の禁止の問題、あるいは派遣業を一時的、臨時的な場合に限定するということを議論をしてまいりました。これは労政審という話もあるんですが、そうじゃなくて、やっぱりこれは厚労省の責任できちっと現場で起こっている違法をただせる、そういう法律に変えるという方向に私は厚生労働省のイニシアチブでこれは踏み出すべきではないかと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 労働政策審議会の今その検討を待っていますから、それも十分に踏まえた上で厚生労働省としてどういう対応を取るかということをきちんとやりたいと思っています。
○小池晃君 ただ、そういう場になれば、これは労使合意、労使合意で歯止めになる部分ももちろんあるんですが、日本経団連が駄目だという法律が出てこないと、国会が幾ら力関係が変わっても審議会が正に国権の最高機関のようになってしまっては、私は政治の責任を果たせないと思うんですよ。だから、そういう点ではやっぱり厚生労働省がこの問題で審議会任せにしないで、これはイニシアチブを発揮すべきだと思うんですが、重ねて伺います。
○国務大臣(舛添要一君) 審議会の意見も十分参考にした上で、厚生労働省としては政府・与党一体となってきちんと対応していきたいと思います。
○小池晃君 私は、これは待ったなしの課題だと思っておりますので是非進めたいと思っております。

・・・<以下省略>・・・




 

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