第169回国会 予算委員会 第8号
平成二十年三月十四日(金曜日)
午前九時開会
・・・【中略】・・・
本日の会議に付した案件
○平成二十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成二十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成二十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
議院送付)
・・・【中略】・・・
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
・・・【中略】・・・
○津田弥太郎君 ・・・【以降、途中まで略】・・・労働問題に移りたいと思います。
現在、三人に一人が非正規雇用の労働者となり、ワーキングプアやネットカフェ難民が急増しているわけであります。正社員はノルマの達成に追われ、長時間労働に苦しみ、その結果として、仕事上のストレスによる自殺者が過去最高。何と一年間に五七%も増加をしているわけです。このいわゆる非正規の問題、正規の問題、両方多くの雇用の深刻な問題が発生をしているわけですが、福田総理はこういう雇用の危機についての認識はいかがなものですか。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員が持たれている危機感を私も共有しております。
一つは、ワーキングプアとかフリーターとかネットカフェ難民、この言葉がいいかどうかは別として、こういう不安定な就労者、非正規労働の雇用の増加、これはもう特に低賃金の場合大変問題だと思います。
それから、正社員についてもおっしゃいましたけれども、特に子育て世代の男性を中心として労働時間が長過ぎると、こういう問題があって、それが健康の問題にも反映してくるわけであります。私は、これは一つの危機的な状況だと思いますので、この働き方の改革をしないといけないと。
具体的には、常に申し上げていますように、三十五万人の常用雇用化を目指すフリーター常用雇用化プランとか、改正パートタイム労働法、それから日雇派遣の適正化、こういうのをきちんと法律に基づいてやるとともに、昨年十二月からワーク・ライフ・バランスということを強調しておりまして、やっぱり仕事と生活、家庭、こういうものの調和が必要だと思います。特に最近、メンタルヘルスということをきちんとやらないと、精神的な問題がございますので、長時間労働の抑制、そういうことのために年次休暇もきちんと取ってもらうと。社会全体でこういう機運を盛り上げるべく厚生労働省としても全力を挙げてまいります。
○津田弥太郎君 総理、この働き方のゆがみというのは何によってもたらされたのか分かりますか。経済財政諮問会議、規制改革会議といった総理や首相官邸に直結した組織を設置し、国民の日々の悩みや苦しみが全く分からない民間議員を集め、国の重要な改革を丸投げしてしまった、そのことに大きな原因があると私は考えているわけであります。
そこで、お尋ねします。
経済財政諮問会議におきまして、総理大臣と並んで官房長官が極めて重要な位置付けをされております。根拠法となる内閣府設置法、これには官房長官に関しどのような規定がされているか、官房長官お出かけですから、総理、お答えください。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 内閣府設置法に官房長官の位置付け、どういうふうな文章になっているか、ちょっと私は承知しておりません。
○国務大臣(大田弘子君) 設置法の中では、経済財政諮問会議で法定されている大臣として、官房長官と私、経済財政政策担当大臣が規定されております。ほかの閣僚については総理が任命することとなっております。
○津田弥太郎君 この経済財政諮問会議は内閣官房長官と極めて密接な関係にあるわけです、今おっしゃったとおり。
それでは、経済財政諮問会議の発足時、このときの内閣官房長官のお名前を、福田総理お答えください。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 福田康夫と申します。
○津田弥太郎君 そのとおりですね。経済財政諮問会議発足時の官房長官は、現在の福田総理、あなた自身であります。更に言うならば、この経済財政諮問会議が跳梁ばっこしていった小泉内閣において、引き続き、当初三年間、内閣官房長官を務めたのも福田総理、あなたです。真っ先に責任が問われるべき福田総理が極めて他人事のような答弁をされていることに私は強い怒りを覚えるわけであります。
昨年の十月の四日、福田内閣発足後の最初の経済財政諮問会議が開かれ、福田総理はこのようなあいさつをされております。経済財政諮問会議は、私も当初から参加をさせていただいておりますけれども、森内閣以来の経済財政面での様々な改革を進める中で極めて重要な役割を果たしてまいりました。これは本心ですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) いろいろな政策立案をするという面におきまして、やはり大事な役割を果たしてまいったと思います。
○津田弥太郎君 去る一月二十二日、参議院本会議において、自民党の参議院会長である尾辻議員がこのような発言をいたしました。「私が大臣をさせていただいたときに、しばしば経済財政諮問会議に呼び付けられました。」、「民間議員から、国会決議を無視すればいいという発言を耳にしたこともあります。」。
国権の最高機関である国会の決議を無視すればいい、そのような発言を行うやからによって経済財政諮問会議は成り立ってきた。私は大変な問題だと思うわけであります。
総理、これまでの経済財政諮問会議の在り方には問題があった、そのことを率直にお認めになりませんか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 橋本行革によって新しい体制ができました。それは政治主導ということで、総理官邸が中心になりまして、より積極的な、そしてまた縦割り行政でない政策を打ち出していこうと、そういうふうな観点から重要会議というのが四つ決まっております。
それ以外にもそういう趣旨の会議がいろいろございますけれども、そこでもって、やはりこういうような時代においてどうやって事態を打開していくかという観点、それがやはりいわゆる改革というように総称されておりますけれども、いろいろな新しい提案をしていかなければこの時代に追い付いていけないんだと、そういうふうな観点からいろいろな提案をする、それはまさに総理大臣の知恵袋みたいな、そういう立場なんですよ。
ですから、それは知恵は出します。諮問会議でもって知恵を出します。しかし、それを採用するかしないかというのはこれは総理大臣の仕事なんですよ。ですから、諮問会議が悪いわけではない。ほかに総合科学技術会議とか、それから防災会議とか、そういう中の一つであるわけでございますけれども、そういうふうな会議があるからこそ総理大臣もいろいろな案件について自分の考えをまとめ、そしてそれを閣議で発議できると、こういう立場になったんです。要するに、政治主導ということですね。
そういうような機能が総理官邸に加わったというようなことでありまして、やはりこういうような大きな時代の変革期におきましては、従来の同じような考え方でやっていくわけにはいかない、やはり時代を先取りしなければいけない、そういう使命も担っておるわけでありますので、それにまつわるいろいろな問題も起こってくることもあると思います。もしそういう問題が起こってくるんであれば、丁寧にそういう問題に対処していくというようなことも必要かと思いますけれども。
いずれにしましても、諮問会議が役に立たないとか、そういうことではない。総理大臣にとっては大変大事な機能を果たす会議だと、こういうふうに承知しております。
○津田弥太郎君 これ、自民党の参議院の議員会長がこういうふうに述べられているわけですよ。これは今総理がおっしゃったようなことじゃない。厚生労働大臣が呼び付けられて国会無視しろと言われているような、そんな会議なわけですよ。
昨日、舛添厚生労働大臣も経済財政諮問会議が主導した社会保障費二千二百億円の削減、これは限界に来ているというふうに答弁をされました。私は、予算案作成の過程で経済財政諮問会議の民間議員が果たしている役割などをしっかり調査をする必要があるというふうに考えます。
したがって、本委員会に御手洗冨士夫氏、八代尚宏氏を参考人招致をするよう強く求めたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) 津田委員の発言につきましては、後の理事会において協議をいたします。
○津田弥太郎君 これ、民主党が政権を取ったならば、必ずこの経済財政諮問会議は廃止されるであろうことを国民の皆さんにお約束をさせていただきたいと思います。
・・・<以下省略>・・・
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