衆議院・参議院会議録情報 抜粋

衆議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。

第2号 平成20年11月12日(水曜日)
午前十時開議
・・・【中略】・・・

本日の会議に付した案件

政府参考人出頭要求に関する件

児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)

厚生労働関係の基本施策に関する件

・・・【中略】・・・

細川委員 民主党の細川でございます。
・・・【以降、途中まで略】・・・
非正規労働者の皆さんは簡単に使い捨てされまして、多くの若者が路頭に迷うようなそんな状況も出てきております。とりわけ自動車、電機、そういうところでは、派遣契約が解除されたり、あるいはまた多くのパートなどの有期の契約社員も、これまた雇いどめなんかで非常に不安を抱えているところでございます。

派遣とか契約社員などの非正規労働者が雇用のいわば調整弁に使われておりまして、こうしたことがこの不況下の中では大きな社会問題を引き起こす、こういうことになっております。

そこで、ちょっとお聞きいたしますけれども、こういうような状況について、大臣は、現在雇用の実態がどういうふうになっているか、現場を含めての大臣の認識というものがどうなのか、まずはお聞きをしたいと思います。

舛添国務大臣 現在の雇用情勢、大変深刻に見ております。委員御指摘のように、有効求人倍率〇・八四倍、これは四年ぶりの低水準でありますし、前月比と見ても〇・〇二ポイント悪化しております。それから、九月の有効求人倍率について申し上げましたが、同じ九月の完全失業率で四・〇%、これは前月に比べて〇・二ポイントの低下であります。

それから、十月に全国の公共職業安定所でヒアリングを中小企業を対象に行いました。とりわけその中で、やはり派遣社員の過剰感が出ているということで、今委員がおっしゃったように、非正規労働者を対象とした雇用調整が急速に進んでいるというふうに思っております。したがいまして、とりわけ非正規労働者をめぐる雇用情勢が悪化をしている。

こういう中で、先般成立しました二十年度の補正予算において、特に非正規雇用の安定ということを図る施策を行っているところでございますので、今後引き続き、この深刻な雇用情勢に正面から取り組んでまいりたいと思っております。

細川委員 今の雇用の問題は、大臣が認識されているよりももっともっと厳しいんではないか。きょうの新聞などでは、昨日、東京商工リサーチが発表した倒産の問題など、これは、企業倒産が五年五カ月ぶりに高水準、あるいは、街角景況感などでは最悪というようなそういう調査も出ておりますし、最近の新聞などでも、例えば見出しで、「派遣切り加速 不況・円高直撃「簡単に使い捨て」」あるいは「通知書一枚「派遣」クビ 自動車業界人員削減加速」、あるいはまた「派遣解雇容赦なく 自動車王国・東海 進む雇用調整」。これなんかもひどいですね。例えば、「午後三時「全員解雇します」」こういうような見出しでいろいろな問題が報道されております。例えばこれは、「「派遣」消え街ガラ空き 福岡・トヨタ工場の地元」。本当に深刻な実態が報道されておりまして、大臣の認識よりももっともっと厳しいんではないかというふうに私は思っております。

以前は、景気が悪化をいたしましても、一定程度の企業の中で緩衝帯のようなものがありまして、大幅な雇用調整とかいうところまでは余りいかなかった。あるいはまた、高度成長期などは農村などが割と調整弁になっていたというようなこともあったわけなんですけれども、しかし、これまでの最近の政策によりまして格差が拡大をしてまいりまして、地方なんかにもそういう余力もない、こういうことになっております。

このことは、非正規の労働者がふえたということ、それから、その非正規の人たちを安易に雇用調整のように使うことになったのが最大の原因でございます。

それで、派遣契約の解約というのも、これはもう日常茶飯事になっておりまして、この派遣法の改正、これも私は非常に重要なことだと思っております。政府の方からは派遣法の改正案が出ておりますけれども、あれでは本当に生ぬるいといいますか、あんなことでは私は派遣の問題は解決しないんではないかというふうに思っておりまして、民主党の方でもこの派遣法の改正案をつくって、準備をいたしております。

派遣もさることながら、有期雇用のあり方も私は問われているんではないかというふうに思っております。特に、有期契約を繰り返す場合には、雇いどめになりますと退職金ももらえない。そうすると、つなぎ資金にも事を欠くようになりまして、再就職もなかなか困難だということもありまして、非常に危機的な状況に追い込まれる。こういうことになってくるところでございます。

こうした不安定な雇用形態そのものを何とかしなければ日本の社会そのものもだんだんおかしくなっていくというふうに私は思っておりますけれども、大臣はこの点についていかがお考えか、お聞きをいたしたいと思います。

舛添国務大臣 私も常日ごろ、やはり恒産なければ恒心なしという言葉がありますように、きちんと安定した職業生活を送るということが生活の安定につながると思っております。そういうことで、日雇い派遣の原則禁止という法案を提出させていただいております。非正規雇用者の安定化、特に正規雇用化を図るためにさまざまな今施策をやって取り組んでいるところでございます。

細川委員 大臣の方は、ある程度やっておられるというふうに考えておられるかもわかりませんけれども、しかし、現実は、なかなかそんなものじゃなくて、大変厳しいということだけはしっかりと認識しておいてもらいたいというふうに私は思います。

先ほど山田委員の方からもお話がありましたけれども、制度論は別にしまして、今喫緊にやらなければいけないこと、今言われておりますことは、うわさでは、この年末には池袋とかあるいは渋谷なんかではホームレスの方がどんどんふえて大変な事態になるんじゃないかとか、そういうような話も聞くわけなんです。

したがって、こういう人たちをどう救済するか、あるいは支援するか、こういう緊急対策も今必要だと思うんですけれども、先ほどのような話では全然解決にはならないと思いますので、このまさに緊急の対策についてはどのようにお考えなのか、述べてください。

舛添国務大臣 これは、先般十月末に生活対策ということで一連の政策パッケージを発表しましたが、その中で、年長フリーターなどに対して、これを求人する雇用主に対して奨励金を創設する、それから非正規労働者就労支援センターを設置し、就労支援体制をさらに拡充する、さらに事業活動に悪影響が出ている中小企業に対する雇用維持のための助成金を拡充する、それから地域の雇用の創出のためのふるさと雇用再生特別交付金を創設する。こういうことで、今おっしゃいました緊急対策を強力に遂行していきたいと思っております。

細川委員 私はその程度では全然対策にもならないんじゃないかと。現実は本当に厳しい状況でございますから、もっともっと踏み込んだ大胆な対策でやってほしいと強く要望しておきます。

・・・【以降、途中まで略】・・・
細川委員 こういう労働基準法、基準法というのは最低のラインを決める、そういう法律でございますから、その法律が適用される人と適用されない人があって、まして、この法案では適用されない人が多いというようなことでは本来おかしいというふうに私は思っておりますから、いずれこの点についてはしっかり私どもも考えてやっていかなければというふうに思っております。

私は、この法案そのものは、大変失礼ですけれども、これは今の労働者の皆さんにとっても大変不満あるいは不信を買うような、そんな内容であるというように思いますので、私は賛成できない法案でございます。そのことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。




 

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