第173回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十一年十一月十九日(木曜日)
午前十時一分開会
・・・【中略】・・・
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
(介護従事者の資質向上策に関する件)
(医療費政策の在り方に関する件)
(単親家庭等の貧困対策に関する件)
(子ども手当の財源等に関する件)
(歯科の診療報酬改定に関する件)
(難病対策の拡充に関する件)
(行政刷新会議の事業仕分への対応に関する件
)
(雇用対策の拡充強化に関する件)
(保育所の居室面積基準等に関する件)
・・・【中略】・・・
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
・・・【以降、途中まで略】・・・
○小池晃君 あらゆること、できることをあらゆることをやるという立場で臨んでいただきたいと思いますが。
私は、雇用対策というのであれば、やっぱり大企業が横暴なリストラ、脱法的な雇い止め、今もやっているわけで、やっぱりそこにどう立ち向かうかということが本当に問われていると思うんです。
衆議院の予算委員会で我が党議員の質問に対して総理は、景気が少しでも良くなると期間工を雇って、おかしくなったらすぐに切る、いつまでも正社員になれない、これは私は悲劇だと思うと。企業、経済界、労組に申し入れたいと答弁されましたが、長妻大臣、総理はこれ申入れっていうのはその後やられたのか。それから、長妻大臣自身がこのような申入れをやられるおつもりはあるのかどうか。やるべきではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(長妻昭君) 今の申入れということでございますけれども、私どもとして考えておりますのは、総理及び私とそういう経営者の皆さん、そこに労働の働く皆さんも加えた形でそういう場を持ってそこでお願いをしていこうということを今考えているところであります。
○小池晃君 是非そういったことをしっかりやっていく、このことが本当に今大事になっていると思います。
JFEスチールっていう大企業のちょっと例を御紹介したいんですけれども、ここでは川崎市の京浜事業所というところで、構内下請の労働者、二重派遣とか偽装請負で使い回された挙げ句に、今年の三月三十一日に二十人が即日解雇という暴挙がありました。これ、形は雇い止めなんですけど、みんな八年から十年間、三か月単位で繰り返し繰り返し雇用契約更新してきた。事実上、期間の定めのない雇用です。同じ正社員の人たちと同じ場所で十年以上働いてきたということで、今これは不当解雇を撤回するとともに、偽装請負、違法派遣ですから、直接雇用義務があるということで裁判に訴えておられます。
厚生労働省に聞きますが、日々雇用でも短期雇用でもない労働者に対して一か月前の事前通告や予告手当も支払わずに即日解雇するというのは、労働基準法上許されるんでしょうか。一般論で結構です。
○政府参考人(金子順一君) 一般論ということで御答弁させていただきます。
有期契約の場合でございますと、一般的には期間満了ということで雇い止めは解雇に当たらないということで、例えば解雇予告手当等の支払を予定しております労働基準法第二十条の規定、これにつきましては適用されないものというふうに考えます。
ただ、判例などによりますと、契約の形式が有期であったとしても、期間の定めのない契約と実態的に異ならない状態になっているというような場合につきましては、解雇に関する法理の類推適用がある、こういった場合があるわけでございまして、そのような場合には労基法二十条の解雇予告を必要とすることになる、こういうふうに考えているところでございます。
○小池晃君 もうこのケースは典型的なやっぱりケースだというふうに思います。労基法二十条違反になると私どもは思います。JFEスチールといえばもう大企業中の大企業です。その工場内でこういう労働基準法違反がまかり通っているというのが現実なわけです。
今日お配りした資料で自動車メーカーはどうかというと、これは日野自動車の、駅で配っている無料の求人誌に堂々と出ている求人広告ですが、期間従業員募集で契約期間は三か月というふうにもう明記をしてあるんですね。この日野自動車というのはこれまで偽装出向とか派遣切りをやってきた私企業、これが今また三か月契約で雇用を募集しているんですね。日野の羽村工場六百人、日野工場百人、群馬の太田市の工場で四百人、千百人の労働者が今これに応募している。年末になったら恐らくこれ切られてしまう危険性も十分にある。こういうやり方でどうして雇用の安定、景気の回復になるのかと。派遣切りに遭った労働者が怒りの声を上げているのは当然だと思うんですね。
大臣、こういう大企業の今のこういうやり方について、私は社会的責任が問われているというふうに思うんですが、大臣、こういうやり方について、政治家としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(長妻昭君) 今、求人の資料を見させていただきましたけれども、この手法自身どうかという個別の問題についてはお答えはできませんけれども、一般論として申し上げると、私自身も、それはできればより多くの失業者が働き口を得て正社員で雇われるというのがもちろん望ましいというふうに考えております。
しかし、非常に先行きが不透明な景気状況の中で、多くの事業主が正社員を雇うのが難しいということであるとすれば、有期労働契約による雇用も雇用機会を得るという観点から見て一定の役割はあるというふうに考えております。
しかし、有期雇用もより多くの方が雇用機会を得た上で正社員にその方々が移行できる景気の環境あるいは環境整備あるいはチャンスをつくるということも重要だと考えておりますので、そういう観点から取り組んでいきたいというふうに考えております。
○小池晃君 大臣、それじゃ自民党の大臣が言っていた答弁と変わらないですよ。駄目ですよ、それじゃ。
やっぱり、雇用の原則は正社員なんだと、労働者を守る立場に厚生労働省立たなければ、大企業の側も資本の論理でがんがんがんがんやるんだから、やっぱりそこは、ちょっと政権替わったんだったら、ちょっと今のような答弁じゃなくて、きちっとやっぱり社会的責任を果たしてもらいたい。舛添さんだってそれに近いようなことを最近言い始めていましたよ。ちょっと私は今の答弁いただけないな、はっきり言って。ちょっとこれ失望しますよ。駄目です、これじゃ。ちょっと、深刻にやっぱりこういう問題を考えていただいて、有期雇用契約の見直しの検討会も始まっているわけですから、私はこういう在り方について本当に物を言うという政治にやっぱり進むべきだというふうに思います。
労働者の声を聞いて経営者団体に申し入れるという話がありましたので、それはしっかりやっていただきたいと思いますが、こういう有期雇用契約の在り方についてもきちっと法規制の取組をやっていただきたい。そのことを申し上げたいと思います。
・・・<以下省略>・・・
|