衆議院・参議院会議録情報 抜粋

参議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。

第173回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十一年十一月十九日(木曜日)
   午前十時一分開会
・・・【中略】・・・

  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
(介護従事者の資質向上策に関する件)
(医療費政策の在り方に関する件)
(単親家庭等の貧困対策に関する件)
(子ども手当の財源等に関する件)
(歯科の診療報酬改定に関する件)
(難病対策の拡充に関する件)
(行政刷新会議の事業仕分への対応に関する件

(雇用対策の拡充強化に関する件)
(保育所の居室面積基準等に関する件)

・・・【中略】・・・

近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。

・・・【以降、途中まで略】・・・
近藤正道君 よろしくお願いいたします。
最後の質問が、資料も配付をいたしました無料低額宿泊施設でございます。
資料に、「無料低額宿泊所で高額徴収」、「「貧困ビジネス」対策待ったなし」、「法規制なく悪質業者も」という新聞記事を配付をさせていただきました。
いわゆる無料低額宿泊施設についての質問でありますが、これは、届出があるだけで全国四百三十九施設、一万四千八十九名の方が、今年の六月時点でございますが、入居をしております。九割ぐらいの方が生活保護を受けているというふうに聞いております。
職と住居を失った人を入居させて生活保護費を受給させる、施設の家賃、食費などの名目で保護費のほとんどを吸い上げる、つまりピンはねをする、路上にいる人たちをいいところあるよといって連れてきて、そして本人もよく分からぬまま生活保護を申請させて、そして彼らがその生活保護費を管理をして、ごく一部だけその人たちに渡して、あとは全部ピンはねしてしまう、こういう無料低額宿泊所を舞台としたいわゆる貧困ビジネスが今大きな社会問題になっております。中には、新聞によりますと、一部新聞では、暴力団関係にも流れているんではないかと、こういう指摘をする人たちが、マスコミもおります。
施設自体が許可制でなく届出制で簡単に開設ができる、あるいは施設の管理とか運営に法的規制がない、行政の監督も年一回の定期監査程度で本当におざなりだと、悪質な無届け施設も後を絶たないと。こういう中で、いわゆる路上生活者がつまり生活保護の言わばネタとして連れてこられて、囲い込まれて、そしてその生活保護費を事実上ピンはね、事実上全部取られてしまう、こういう実態があるわけでございます。
こういういわゆる貧困ビジネスの背景には、これまで貧困問題に向き合ってこなかった旧政権の無策、生活困窮者の住宅問題を自治体任せにして、民間任せにしてきた私は厚労行政の実態があるんではないかと、こういうふうに思っております。
この間、院内集会で当事者の話も聞かさせていただきました。大変これはやっぱり問題で、数年前から問題だったんだけれども、やっとこの辺に来て政治の舞台に乗りかかってきたのかなと、こういうふうに思うわけでございます。
大臣に、この無料低額宿泊施設問題、省内で検討会を立ち上げられたようでありますけれども、この問題の基本的な認識をお伺いしたいということと、今後、厚労省としてどう取り組んでいかれるのか。これも山井さんがトップでいろいろ頑張っておられるようでありますけれども、どうぞ方針を聞かせていただきたいと思います。
大臣政務官(山井和則君) 私が一言最初に答弁をさせていただきたいと思います。
今御指摘いただきましたように、この貧困ビジネスの問題は二つ大きな問題があります。一つは、やはりこれだけ大規模に一万四千人もの方々が入居しておられて、また一部それをかなりのピンはねをしているとなると、これはもう生活保護という制度の信頼自体にかかわってきて、国民からそういうビジネスにお金が流れていくんだったら生活保護というのはやっぱりおかしいんじゃないかという批判も出てきかねないということ。そして、今まで一部の地方自治体では、こういうビジネスがあるからそれによってちょっと生活保護行政の手を抜いていたという、非常にそういう問題点もございます。
これはもう放置できないということで、十月二十日に私が主査となりまして検討チームを開きまして、実は今日も検討チームを今晩開きますが、元入居者、そして経営側、両方来ていただいて、こういう両方来ていただくという検討会は史上初じゃないかと思うんですが、そういう中で、まさに今、近藤先生御指摘いただきましたように、届出制だけで本当にいいのかと、法規制ということの是非も含めて検討をして、できるだけ早く結論を出して対策を講じたいと思っております。
国務大臣(長妻昭君) 今、山井政務官からもお話がありました。本日も夜、その検討チームがございます。私もその検討チームに出席したことがございますけれども、本当に入所者の御本人を呼んで生々しいお話をいただくということで、当事者をお呼びをして詳細に実態を把握するという活動でありまして、まずは先月の十月の二十日に自治体に対してまず要請をいたしました。四項目ございますけれども、まずは訪問調査を徹底してください、悪質な施設からの転居を支援してくださいというのが一点目。二点目、生活保護費の本人への直接交付と。三点目としては、施設の収支状況を公表をしていただく。そして、四点目としては、消防署が行う防火安全対策への協力ということで、まずは第一弾の対策として地方自治体に要請を申し上げました。そして今、山井政務官を中心に取り組んでおりますので、法規制の是非を含めて関係者からのヒアリングをして、多角的な検討を行っているところであります。
近藤正道君 終わります。
委員長(柳田稔君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十三分散会




 

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