衆議院・参議院会議録情報 抜粋

衆議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。

第5号 平成19年2月8日(木曜日)

平成十九年二月八日(木曜日)

    午前九時開議

 



---〔中 略〕---



本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十八年度一般会計予算
 平成十八年度特別会計予算
 平成十八年度政府関係機関予算

     ――――◇―――――
○大島委員長 これより会議を開きます



---〔中 略〕---



○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。



---〔以降、途中まで略〕---


 さて、次の質問に移らせていただきますが、きょう皆様にお示しした資料の一枚目は、派遣労働の女性の年齢分布というものが示してございます。

 この少子化問題の論議の中で、いわば最も手だてが遅く、後回しになってきたのは、産んで以降の政策ではなくて産むまでの政策であります。幾ら女は一人頭二人とか割り当てをいただきましても、なかなか産むに産めないじゃないのという声も各委員からの御指摘がありました。また、産むことはもちろん女性だけでは、産むという作業はできますが、子供をなすということは、これはクローン技術でも用いない限り、なかなかやはり、男性と女性で産み、お互いにいろいろな役割をして子供を支えていくわけであります。

 この間の論議の中で、私は一番実相を見ていないのは、一九八五年、男女雇用均等法が制定され、翌年から施行。と同時に労働者派遣法が制定され、翌年から施行。スタートが一緒でございました。二十年たって女性たちは働きやすくなったか、産みやすくなったか、産むことを選び取れるようになったかというと、到底そういう状況から遠い、これが現実の日本であります。

 柳澤大臣に伺います。この「派遣労働者の年齢分布」というものをごらんになって、まず大臣の感想をお伺いいたします。

○柳澤国務大臣 これは非常にグラフとしてはわかりやすいグラフであるわけですが、これに対する感想いかん、こういうことでございます。

 大体において、派遣労働者につきましては、これは男女を通じての話ですけれども、消極的な理由もありますけれども、同時に積極的な理由もあるというふうに私ども考えております。積極的理由のうち、一番高い率を示しておりますのは、専門的な資格、技能が生かせるからということがございます。それからもう一つは、次に高いのは、次の次ですが、ほぼ二位に位置しているのは、自分の都合のよい時間に働けるからというのが次の積極的な理由として我々つかんでいるわけでございます。

 今ちょっと、この男女を通じての数字以外に女性だけ、男性だけの同様の統計データはないかということを聞いたんですが、ちょっと間に合いませんでしたので、ここから以降は推測的なことになりますが、やはり専門的な資格、技能が生かせるからというようなことが積極的な理由としてあるとすると、むしろこれは、女性の方にそういう背景がある場合が多いのではないか。あるいは、自分の都合のよい時間に働けるからも女性の方に多いかもしれない。特に第一のところはそういったことがあって、今このような派遣労働者の中の女性の年齢分布にあらわれているのではないかというふうに感想を持った次第でございます。

○阿部(知)委員 大臣、やはり厚生労働大臣になられたわけですから。私は、この図から、もちろん派遣という働き方もあり得るということは、今大臣がおっしゃったように専門技術を生かすとか、ございます。でも、大臣に感じていただきたいのは、では果たして、この二十五歳から三十四歳の女性たち、本当に派遣という働き方の中で産むことを選び取っていけるかどうかなんですね。

 このたびの政府の労働法制のさまざまな関連する法案の中でも、期間を限定された有期雇用の問題はほとんど触れられておりません。期間が限定されるということは、例えば、妊娠したらその派遣という働き方が続けられるのかどうか、非常に多くの若い女性が悩んでいます。これは男性を平均に入れてならすと、こうした特徴的なカーブは描きません。しかし、専門職として二十歳代、三十歳代の男性も決して少なくはございませんが、こうした特徴的なカーブは出てまいりません。

 大臣は産む役割とかいうことでおっしゃいますが、大事なのは、産めるような選択ができるような働き方になっているかどうかなんです。であれば、派遣という形態が現実に女性たちにとってどのように産むことが選び取りやすいか、有期という期限を限られた形態が影響をどう与えているのか、そういうことをもっときちんと精査していただかなくてはならないと思います。

 おまけに、大臣、御存じと思いますが、今、個人請負という形がございます。これは、雇用契約を結ぶものではなくて、自分が仕事を請け負って、例えば雑誌の編集者あるいはディズニーランドで踊っている人たち、女性たち、彼女らもみんな個人で請け負って仕事をやります。労働基準法も適用されません。最低賃金の枠もありません。本当に働き方がばらばら、多様になったがために、産むこと、選ぶことが、実は男性も女性も非常に厳しくなっています。

 その中で、昨日の審議の中で柳澤大臣は、少し去年が上がったから、その数値が少し上がったから。それはいいことだとは思います。でも、そこで安心していただいては困ります。特に、九〇年代後半からの働き方のノールールが今いかに若い人たちが産むことを選びづらくしているか、男性も女性も同じであります。

 大臣にここで質問があります。

 派遣労働という形態の中で女性が産むことを選びやすく、選び取りやすくなっているかどうか、実態についてつまびらかに調査をなさり、必要があればしかるべく対策をする。あるいはまた、派遣法はどんどん拡大してまいりました。製造分野にも拡大しております。昨日の審議の中でも、御手洗さんの御発言を引いて、この派遣の問題をどう業界側も考え直すかということをおっしゃっているやに伺いました。私は、日本の社会にとっても、ある意味で、期間があり、特に若い女性たちがここに中心的にいる働き方について、日本の少子高齢化を担う大臣がきちんとした現状把握をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 派遣につきましても、消極的に、正社員として働ける会社がなかったからという方々が、これは男女を通じてですけれども、多いということも事実でございまして、これに対しては、私どもは今度、パート労働法等でも、これをできるだけ正社員化するという方向で、方向づけていくという法律改正を考えているということでございます。

 それから、有期労働の方々についても、私どもは、契約法という法律を新たに創設しまして、できるだけ労働者の保護の方向で考えて法律改正をいたしたい、そういうことで今準備をしているということを申し上げさせていただきます。

○阿部(知)委員 ちょっと論点はずれてございますが、私がお願いしたのは、やはり派遣という働き方の中で、女性がなかなか産むことを選べないということをもっと認識していただきたい。

 ちなみに、私のお出ししました資料の次のページには、長時間労働の女性ほど子供を持つことができない、少ないという資料がページの四枚目、これは厚生労働省の資料でございますから、有配偶者、これは女性正社員、正規のうちでもそうでございます。労働時間の問題も、賃金の問題も、働き方の問題も、まさに、例えば今まで手つかずの、本当の意味の手のついていない部分だと思います。大改革が必要なんだと思います。



---<以下省略>---




 

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