衆議院・参議院会議録情報 抜粋 |
衆議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。 |
第14号 平成19年2月23日(金曜日) 平成十九年二月二十三日(金曜日) 午前九時開議 ・・・【中略】・・・ 本日の会議に付した案件 政府参考人出頭要求に関する件 平成十九年度一般会計予算 平成十九年度特別会計予算 平成十九年度政府関係機関予算 ・・・【中略】・・・ ○川内委員 川内でございます。 ・・・【以降、途中まで略】・・・ さらに、今、柳澤厚生労働大臣に対する御見解をお述べいただいたわけでございますが、それでは、日本の生産現場、工場の現場が、今労働者派遣法によって大変な、悲惨なというか厳しい状況になっているということは、総理も御案内のとおりであろうというふうに思います。 この労働者派遣法というのは、いわゆる労働者、人間を派遣先と派遣元が商品として売り買いするわけですよね、ある意味で言えば。もう全く労働が商品になっているわけです。そういう中で偽装請負という問題が起きている。先ほど枝野議員からも激しいやりとりをさせていただいたわけでございますが、私は、ちょっと観点を変えて質問させていただきます。 労働者派遣事業に係る請負の発注者に対する厚生労働省の監督実施件数というのが、平成十七年度に何件、平成十八年四月から十二月まで、昨年末まで何件あったのか、お答えをいただきたいというふうに思います。これは事務方からで結構でございます。 ○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 労働者派遣法にかかわります監督件数のうち、今、請負の発注者に対するということについてのお尋ねでございますが、平成十七年度におきましては、一年間で六百六十件、平成十八年四月から十二月までの期間でございますが、七百六十二件となってございます。 ○川内委員 総理、これは厚生労働省が発表した昨年十二月二十六日の書類でございます。プレスリリースされているんだろうと思いますが、「派遣労働が対前年四割の増加」と書いてあります。偽装請負は、あるいはこの労働者派遣法違反の事例は、四割どころじゃない、倍増しているわけですね。今、そういう状況が労働者派遣の世界で起こっている。 では、もう一点聞かせていただきますが、平成十七年度に六百六十件、平成十八年四月から十二月までの間に七百六十二件の偽装請負があった、監督指導が行われたということでありますが、その中に東証一部上場企業であったものは何件、何社あったでしょうか。 ○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 監督指導の対象になりました事案につきまして、東証一部上場企業でどれぐらいあるのかというお尋ねでございますが、そうした観点での数は把握はいたしておりません。 ○川内委員 把握をしておらないというのはわかりましたが、労働者派遣の世界というか労働市場を規制緩和すれば、規制を緩和するということは弱肉強食が強まるということであろうかと思います。そうすれば、大資本が労働市場を席巻する、大資本からの風圧は強まるわけですよね。これは否定できないことだと思います。 そういう中で、違反事例が大企業あるいは企業規模に応じてどのくらいあるのかということは発表されてしかるべきであろうというふうに思いますが、厚生労働大臣の御見解を承りたいと思います。 ○柳澤国務大臣 これは正直言って、そういう観点からのデータをとっていないということを今職業安定局長からお答えしたとおりでございます。 私どもとしては、そういう大企業、小企業、中小企業というようなことにとらわれないで、請負の事案について派遣法違反にわたるような事案を、これに対して監督指導等を初めとする手続を進めている、こういう次第であります。 ○川内委員 いや、数字だけ教えていただきたいというふうに申し上げているわけです。七百六十二件の中に東証一部上場企業が何件、何社あるかということを調べるのはそんなに難しいことではないというふうに思いますが、大臣、それをお調べいただいて本委員会に御提出をいただくということもならぬという御答弁でしょうか。 ○金子委員長 できるかどうかということに対して、厚労省高橋職業安定局長。 ○高橋政府参考人 対象になりました企業をどういう形で分類するか、これはいろいろあろうかと思いますが、できないということでは恐らくないというふうに思います。 ○川内委員 だから、できるわけですから、大臣、やらせてくださいよ。もう一回答弁してください。 ○柳澤国務大臣 枝野委員との質疑応答の中にもありましたけれども、違反の、監督件数というものは、まさに件数一件一件ということです。それで、派遣というか、請負の発注先というのは、社ごとというふうになっているんだろうと思います。 このことについては、監督件数のうち請負の発注者に対するものということで、今職業安定局長も件数ということで言われましたので、そのあたりのことがどういうふうにとらまえられるものなのか、検討させていただきます。 ○川内委員 私、経団連の会長がおかわりになられるときにお出しになられる政策ビジョン、御手洗会長のもとでの「希望の国、日本」というものをきょう持ってまいりましたけれども、この中に経団連の企業行動憲章というのが載っておりまして、「国の内外を問わず、人権を尊重し、関係法令、国際ルールおよびその精神を遵守するとともに、社会的良識をもって、持続可能な社会の創造に向けて自主的に行動する。」と書いてございまして、その中に、「本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、権限と責任を明確にした上、自らを含めて厳正な処分を行う。」と書いてございます。 偽装請負というのは法令違反だというのは政府もお認めになっていることであろうというふうに思います。したがって、こういう行動憲章を出していらっしゃる方々の企業行動というものが本当にこの企業行動憲章に合っているのか否かということについては、国民の皆様に十分明らかにされていかなければならない、公開していいと言っているわけですから。公開するとみずから言っている。 総理は御手洗さんと仲よしでいらっしゃるでしょうから、経済財政諮問会議でお会いになられたときに、国会でキヤノンの偽装請負が問題になっている、話題になっている、御手洗さんのところだけは公表してもいいかと聞いてくださいよ。そうしたら、いいと言うに決まっていますよ。どうですか、総理。 ○安倍内閣総理大臣 いわば個別の事案の公表については、法律において要件等が定められているということから、我々はお答えを控えさせていただいているところでございます。 ○川内委員 だから、総理に今ここで答えてくださいと申し上げているわけではなくて、御手洗さんに、国会でこういう議論があるから、御手洗さん、公表してほしい、偽装請負について情報を明らかにしてほしいという意見がありますよということを伝えてくださいと申し上げているんです。言ってくださいと言っているんです。どうですか。それさえも言わないというんですか。 ○安倍内閣総理大臣 当然、この議論については、恐らくテレビもごらんになっているだろうと思います。その上で、つまり、この当該の企業がどうかということについては、これは法律の要件が整わなければ、我々としては、どうかということは申し上げられないという立場であるということを繰り返さざるを得ないと思います。 ○川内委員 安倍内閣の内閣府の副大臣のお一人は、テレビの報道番組で、法令違反の企業は論外であるというふうに力を込めて御発言をされていらっしゃいました、大村さんですけれども。 安倍総理御自身は、この労働者派遣法のことについて、改正に言及をされているようなんですけれども、まさか御手洗さんが望む改正の方向ではない、要するに労働者派遣法を、ドイツやフランスの派遣法のように、規制を強化するという方向での改正を考えていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。 ○安倍内閣総理大臣 最近の景気の上昇によって正規雇用がふえているのも事実でございます。三四半期連続で正規雇用はふえている。さらにこうした景気回復を持続させることによって正規雇用をふやしていきたいと思っております。 そこで、この正規労働者との均衡処遇の実現を図るための、これはパートでありますが、パートタイム労働法の改正のほか、また、正規雇用か否かにかかわりなく適用される最低賃金制度の約四十年ぶりの改正や、労働契約全般に関するルールを明確化するための新法の制定など、一連の働く人たちのための労働法制の整備に取り組んでいかなければならないと考えております。 ・・・<以下省略>・・・ |