衆議院・参議院会議録情報 抜粋

参議院ホームページの会議録から一部抜粋したものを、こちらのホームページに転記致しました。

第166回国会 厚生労働委員会 第20号
平成十九年五月十七日(木曜日)
    午前十時一分開会

・・・【中略】・・・

  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)

・・・【中略】・・・

○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井でございます。
  まず大臣、ちょっと冒頭済みませんが、通告なしで大変申し訳ないんですが、今日の新聞に過労自殺五七%増と、過去最多の六十六人であるという記事が掲載されておりました。この記事に見るまでもなく、私は、労働者の労働条件というんでしょうか、それがどんどんどんどん悪くなってきているような気がしておりますが、所管省庁の大臣としてはどういう御認識をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働災害の中で最もあってはならない過労死というようなものが多くなってきているということは、私も、我々の役所の統計データの発表ということで、よく改めて認識をしたところでございます。
  かねてから長時間労働というようなことで、それを抑制をしなければならないということを申し上げてきましたけれども、それはどうも最近において長時間労働が常態化する傾向があるのではないか、また、特に若者がそうした長時間労働の状況にあって、それが高止まりしたままで動かないという状況が見て取れますので、できるだけそういうようなことはあってはならないということで、私ども、まだ御審議をいただいておりませんけれども、何とかこの長時間労働の抑制のための基準法の改正等によりまして、この状況を早く緩和していくということが必要であるということの取組をいたしているところでございます。
  いずれにいたしましても、私も昨日報道で見ましたけれども、特に私の地元の掛川市というところの例が映像に映りまして、もちろん亡くなられた若い人に本当にお気の毒だと思ったことと同時に、大変責任が重いということを改めて痛感をした次第であります。
○櫻井充君 大臣、これ今日は通告ないので、来週の火曜日にまた質問時間をいただけるそうですから、これは来週の火曜日でも結構ですが。
  労働省の役人の人たちと話をすると、彼らはやはり問題意識は持っているわけですよ、今の労働条件は本当に悪くなっていると。ところが、彼らの思うとおりになっていかないのは一体なぜなのかというと、経済財政諮問会議そのもの自体が、特にその中の、名指しをさせていただきますが八代さんという方がいらっしゃって、この方が相当、最悪な存在ですね。国会に出てきて答弁されることもなく陰で暗躍されているような感じがしてなりませんが、その経済財政諮問会議の存在というものがこの国の在り方を私は相当ゆがめているんじゃないかなと、そう感じておりますが、大臣としてはいかがお考えでございましょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 経済財政諮問会議と申します機構は、行政改革の中で官邸、総理大臣の主導ということの趣旨で、特にその中心的な機関として置かれたというふうに認識をいたしております。
  本来の所掌の事柄というのは、財政経済の基本的な政策を決めると、こういうことのはずだと私は思っておるわけでございますけれども、最近におきましては、そういう基本的な方向ということで、どうしてもその方向の下での具体的ないろいろなことにも御方針を示されると、こういうようなことが行われておりまして、私ども、その対応に大変いろいろの形でこの方面で苦心をしているというところでございます。
○櫻井充君 それが率直な御意見だろうと思います。特に厚生労働省がやり玉に上げられて、相当御苦労されていると思うんですよ。
  私は、最近の民間委員の方々を見ていると、四人の連名で様々な意見を出されているんですよ。これはおかしな話ですね。つまり、経済財政諮問会議として意見が出てくるのならば、あれは内閣府設置法に定められている組織ですから、それはそれとして理解はいたしますが、関係のない四人が、関係のないというか、その四人の連名であれだけの見解を述べるという根拠が一体どこにあるのか、私には全く理解できないわけですよ。そういった暴走を本来であれば内閣の中で止めることをしていかないと、僕はこの国の政治の在り方がどんどんどんどんゆがめられていくと思っているんです。
  我々は有権者から選ばれておりまして、何か問題があったときには選挙で落ちるという、そのリスクを抱えております。官僚の方々は官僚の方々で、ちゃんと国家公務員法があって、そこの中でどういう働きをするかという形でやっております。しかし、彼らにはそういうルールがありません。
  特に、内閣府設置法を見てみると、総合科学技術会議という会議がもう一つ設けられておりますが、これは、民間委員の人たちが選出される際に両院の承認を得るとか、それから罷免権があるとか、それからもう一つは守秘義務を課せられているとか、ところが経済財政諮問会議は全くそういうものはないわけですよ。
  ですから、今、国会の手で何とかしたいと思っても、どうしようもなくなってきているというのが現状でして、僕は、本当であればこういう委員会に四人の方に出席いただいて、おまえらの考えていることは一体どういうことなのかということをただしていかないと何ともならないんじゃないのかなと。
  ですから、厚生労働省が幾ら労働者サイドに立って何とかしていきたいと思っても、今悪者になっているのは実は厚生労働省ですから、私はそれがおかしいと思っているんですよ。ですから大臣ね、やはり内閣の中でもう少しきちんとした議論をされて、ああいう形で経済財政諮問会議の民間委員の人たちが、言わば間違った権力を自分たちが持っていると思って暴走しているものを止めていかなければいけないんじゃないかと、私はそう思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほども申し上げましたように、この機関は内閣総理大臣主導のしっかりした政治責任に裏打ちされた政策の展開をしなければいけない。かつての内閣法ですと、内閣総理大臣は閣議に対して自発的な提案もできないというような非常に弱い内閣総理大臣という立場にありまして、これはやっぱり改革をしなければいけないのではないかということで、内閣機能の強化あるいは内閣総理大臣の権限の強化、こういうようなことをねらいとしていろいろな改革が行われたわけですが、その一環で出てきたものでございます。
  そういうことで、我々の、日本の政治というものが今まではボトムアップ型であったということなんですが、できるだけトップダウンもやらないと時代の進展にスピーディーに対応できないと。こういう考え方から、そうした目的を持って設置された機関で、それはそれとして時代の要請にこたえる改革であったというふうに私は思っているわけでございます。
  四人の民間議員のペーパーということは最近ではなくて、私の知る限りでは小泉内閣になってから、その前の内閣というのはほとんど期間が短くて、つまり、経済財政諮問会議が活動をした期間というのは短いものですからまだ形成過程にあったということですが、明確なルールあるいは慣例を作って会が進行し始めたのは小泉内閣になってからという記憶でございますが、これはもう四人の民間議員によるペーパーが提出されるということはその当時からのものでございましたので、最近のことということは私はそういう認識ではございません。
  非常にペーパーは出ますけれども、それに基づいて議論が行われるということでございますので、私は私なりに役所のいろいろな検討結果を踏まえて自らの主張は主張させていただいていると。こういうことでありますので、そのペーパーがすべてを壟断しているということでもないと、これはそういう実態にはないということは申し上げさせていただきたいと、このように思います。
○櫻井充君 内閣の一員ですとそういう御答弁しかできないのかなと思っているところがありまして、つまり、私も前段の部分はそのとおりだと思うんですよ。しかし、問題はそこにいるメンバーなんですよ。それから、そこにちゃんとルールがあって、そのルールにのっとってやっていらっしゃるかどうかということだと思うんですよ。僕は、一番大きな違い、やっぱり問題は、彼らに責任があるのかどうかということなんですよ。
  我々は、先ほど申し上げましたが、それは選挙という洗礼を受けますし、それから、官僚の皆さんは国家公務員法の中で、そこの中で枠が決められて、それにのっとってルールがあってそれでちゃんとやっていくわけですよ。しかし、彼らに対してのルールが全くないんですね。私はないに等しいと思っておりますが、そこのところが実は大きな問題であって、それが総合科学技術会議と何でああいう違いになって内閣府設置法の中に定められているのか。これ最近勉強してやっと分かったことですが、そこのところが実は問題なんじゃないのかなと。本当は今日はその点についてもお伺いしようと思いましたが、なかなか資料が全部集まってこなかったので、これは来週の火曜日に続きをやらせていただきたいと。
  ここは、ですが、問題、僕は本質だと思っているんですよ。経済財政諮問会議が今のマスコミ的に言うと正義であって、それの意見に反する人たちがどうも抵抗勢力と言われているというその構図そのもの自体が僕は間違っていると思っております。ですから、そういう判断にならないようにもう少しここの実態をはっきりさせていくということが我々の役割ではないのかなと、そういうふうに考えております。

・・・<以下省略>・・・




 

目次へ