『陳述書』

E-4

（４）平成11年１月
　１月５日（火）にネクスターから引っ越しを言われました。最後の冬休みの日でした。
　そのため、１月５日に、勇士は、ネクスターが指定した引越し先に、急遽引っ越しすることになりました。
　引越し先について、選ぶチャンスがなかったこと、狭かったこと、コンロが電熱器だったこと等があり、勇士から�ガスコンロではなく、電気コンロで、仕事で時間が足りないところに、電気では何をするのにも時間がかかる。部屋も狭くて、パソコンを置くとぎっしり�と思い切りがっかりしたという電話が入りました。

　正月休みから戻って、長時間労働が続いたようです。この間の勇士からの電話は、単語のように短い言葉を並べて訴えるようにいうことが多くなりました。
　�目が重苦しい��頭痛がひどい��メールがいつまでもきりがない��自分一人だから早く済ませたかった��メールは時間がかかる�等の訴えが続きました。
　この頃、勇士は、家の狭さやら不便さを訴え、�足がつっかえるよ��電熱器はお湯もさっと沸かないよ�と、とてもイライラしていました。

　１月18日（月）の電話での�電子メールに時間がかかった。結局、昨日は、早く帰るつもりが、なかなか帰れず、休日出勤なのに午後９時を過ぎた�という電話がありました。

　１月19日（火）弟のＹＡが新居に遊びに行きました。勇士は絶対行かないようなゲームセンターにＹＡを連れて行きました。ＹＡは、勇士と性格がまるっきり違うのでそういう所は大好きです。ＹＡはとても喜んで東京に帰って来ました。その日の夜、勇士から電話が有りました。勇士は�ゲームセンターに連れて行ってあげた。あいつはああいう所好きだからね。俺は得意じゃないからちょっと疲れたかな�と笑っていました。毎日の疲れの中で弟に会ったことは、とても嬉しかったようでいつものイライラ電話はこの日は和んだ物になっていました。
　後でＹＡに詳しく聞くと、勇士はゲームセンターにいる間、一度もゲームに触らなかったそうです。ゲームに熱中しているＹＡの近くに腰を下ろして、にこにこ見守っていただけだったといいます。一緒にゲームをしていたものと思っていたので、とても驚きました。

　１月20日（水）、ＹＡが遊びに行った翌日、勇士から電話がありました。勇士は、�予定どおり貯まっているよ。短期なら貸してあげられる位になった。借りたい？�と、かすかな笑い声混じりで言ってきました。
　そこで、私は、この情報を、さっそく兄弟に流しました。
　この話しにいち早く乗ったのは長男ＹＯでした。ＹＯは、平成10年９月２日の夜に、自分のいねむり運転により、追突事故を起こしました。事故車は、応急修理でしばらく使いましたが、車検の時期だったため、車を買い換えようと思い、前から目を付けていたＢＭＷが破格の値段で紹介されたので、平成10年12月25日（金）に購入見積もりに相談に行きました。その日に１万の預かり金を支払いました。そして、友人達から借り集めて、１月12日（火）に一時金25万を支払い、平成11年１月22日（金）に、残り38万6900円を支払いました。
　１月22日（金）の夜に、ＹＯは私から１月21日（木）に勇士が言ったという言葉を聞いて、早速勇士に電話しましたところ、勇士は、すぐに貸してくれました。勇士との返済約束は、50万を２回の分割で、平成11年３月下旬で完済の約束だったそうです。このお金で、ＹＯは友人達に早々に返金したそうです。

　１月24日から２月７日まで、勇士は15日間連続して休みもなく勤務しています。この頃、勇士は、�あ、かぁさん？　今帰ってきたよ。目が押されるような感じだよ。今からお風呂入って寝るよじゃぁね�とか、�あ、今帰ってきたよ。あたまいってぇ～。じゃぁね�とか、�ただいまぁ。またメールすごくてさぁ～。もう疲れるよ。じゃお休み�など、私の声を聞いて一言話すと切るといった感じの電話をしてきました。私は、この勇士からの電話に何か悲鳴に近い感じの印象を強く受けました。

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